今、新型コロナウイルスや新たなテクノロジーによって、僕たちの働き方ないしは「生き方」が変わりつつあります。
内閣府の「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」によれば、「家族の重要性を意識するようになった」と答えた人は49.9%、「仕事以外の重要性を意識するようになった」と答えた人も31.5%に上りました。
今後リモートワークや5G技術の普及によって仕事がどんな場所でも行えるようになれば、住む場所を全国どこでも自由に選択できるようになります。
さらには副業やフリーランス、パラレルワーカーなど、組織ではなく個人が活躍する社会がすぐそこまで来ています。
もはや転職も当たり前となった時代、ひとつの会社に一生を捧げるメリットはあるのか。
以前に同じテーマで人材大手のパソナグループ、航空大手のANAを取り上げましたが、今回は「みずほ銀行編」になります。
それではいきましょう。
みずほ銀行、週休3〜4日制を導入
みずほフィナンシャルグループ(みずほ銀行)は、言わずと知れた3大メガバンクの一角を占める都市銀行です。
先日、同社は社員が希望すれば週休3日もしくは4日で働ける制度を導入することを明らかにして話題になりました。
え、週休4日とかめちゃくちゃよくない?
と思う人もいるかもしれませんが、一旦落ち着いて聞いてください。
最大の狙いは人件費削減!?
みずほの場合、週休3日では基本給が8割に、週休4日では6割になり、休んだ分がほぼそのまま減給されるというのです。
表向きには「働き方の自由度を高めて、キャリアアップのための勉強や副業などに活用してもらう」ということだそうですが、最大の狙いはやはり人件費削減でしょう。
かねてから銀行は「バブル期の入社組が余剰人員になっている」「AI化によって仕事がなくなる」と言われていましたが、それがいよいよ現実味を帯びてきました。
ちなみにみずほFGでは、2026年度末までに全従業員の2割強にあたる約1万9000人を削減する構造改革が打ち出されています。
もはや止まることないフィンテックの波とワークシェアリングが進む社会のなかで、銀行員たちはいま、悲鳴を上げています。
まだ若さも選択肢もある若者ならともかく、何十年も勤め上げてきた中高年の末路が気になるところです。
人生に新たなステージが現れる
リンダ・グラットン/アンドリュー・スコットによる著書『LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略』では、長寿化が生む人生の新たなステージについて以下のように説明しています。
平均寿命は10年に2年以上のペースで延びてきており、今20歳の人は100歳以上生きる確率が半分以上ある。
↓
寿命が延びれば引退年齢が70〜80歳になり、「教育→仕事→引退」の3ステージにおける仕事のステージが長くなる。
↓
そうなると、選択肢を狭めずに幅広い針路を検討する「エクスプローラー(探求者)」や、自由と柔軟性を重んじて小さなビジネスを起こす「インディペンデントプロデューサー(独立生産者)」、さまざまな仕事や活動に同時並行で携わる「ポートフォリオ・ワーカー」のステージを経験する人が出てくる。
↓
このように選択肢が増えれば、正しい道を選び取るために時間を費やすことの重要性が高まり、学校教育を終えてもすぐには企業に勤めない若者、キャリアを途中で中断し、知識やスキルの再習得に取り組むビジネスマンが増える。
最近だと電通が、ちょっと前だとタニタが一部の正社員を業務委託契約に切り替え、「個人事業主」として働いてもらう制度を開始して話題になりました。
冒頭でも書いたとおり、これからの社会はどんどん個人化が進み、既存のレールに乗るのではなく、1人ひとりが主体的に人生を選択していかないといけない時代に突入します。
いま副業解禁の波が押し寄せているのも、そうした時代に備えて社員を自立させるための訓練なのだと僕は捉えています。
コロナ禍で露呈していく、大企業の限界
かつては一流大学を卒業して大手の銀行に就職すれば「勝ち組エリート」と持て囃されました。
しかし長寿化やフィンテックの導入が進むにつれて銀行員のリストラが囁かれ始めると、中高年は自らの保守に走り、優秀な若手は離れていくという悪循環が生まれています。
ですがこれは銀行に限った話ではないです。
今、コロナによって多くの企業の働き方が見直され、着々と再編が進んでいます。
つまり何が言いたいのかというと、今仕事に悩んでいる人は、一旦ニートになろうぜ!
それでは、素敵な転職ライフを!